報告

第35回基幹研修3&第42回更新研修

「第35回基幹研修3」「第42回更新研修」を沖縄国際大学(沖縄県)にて開催しました。日程は、基幹研修3が2018年1月27日(土)、28日(日)、更新研修が2018年1月28日(日)でした。ここでは、それぞれの修了者から報告記事を掲載します。


<更新研修>
     
講義「ソーシャルワーク論」 演習の様子 代表者による修了証書授与

・ 再会を楽しみに

医療法人宇富屋 玉木病院(沖縄県)/ 経験年数15年 川平 哲郎

 はじめに今回の受講理由について触れたいと思います。まず、地元沖縄での開催というありがたいチャンスだったこと。そして、クローバー登録者として成年後見活動を続けるためには、更新研修の受講継続という必須条件があったためです。

 私は受講日前日の懇親会から参加させていただきました。沖縄県内外からの受講生(更新・基幹研修V)、講師の先生方、協会事務局の15名程が参加。翌日に控えた研修を前に、懇親を深めることができました。

 そして当日を迎えました。午前は渡邉俊一先生が担当する講義『ソーシャルワーク論』でした。日々業務に追われ、クライエントとのかかわりが減り、本人不在の支援となってはいないか。クライエントの話を傾聴し、一緒に考え、寄り添うことが、ソーシャルワーカーとして大切だと振り返ることができました。

 午後はグループワークでした。我々Aグループは地元沖縄、九州・神奈川からのメンバーで構成。所属も病院・一般社団法人(生活困窮者自立事業を受託)・保護観察所・大学と様々でした。

 一つ目の『スーパービジョン』では、それぞれが普段抱えている課題を持ち寄りました。当事者が思いを語れる場づくりを進めて行きたいとの声があがりました。私もピアサポートの導入について所属する病院内で色々と苦労もありました。住む地域も所属も違いますが、精神保健福祉士同士、共感するところがたくさんありました。

 二つ目の『演習』では、更新研修を振り返りつつ、地域や都道府県協会などにおける、それぞれの役割や立場、課題について話し合いました。精神保健福祉士を目指す学生、求職者の減少、有資格者の協会加入率の低さなどが話題にあがりました。精神保健福祉士の魅力を、学生や後輩たちに伝えていくことは、我々のとても大切な役割だと感じました。

 最後に、後見活動を続けるために、なぜ更新研修の受講継続が必須なのか。精神保健福祉士が後見活動をすること、そこには常にその専門性が求められてくるからだと改めて感じることができました。5年ごと繰り返し学び続けていきたいと思います。

 追伸 同じAグループには今年の全国大会(長崎)の大会長がいらっしゃいました。懇親会でもお話を聞くことができ、何かご縁を感じました。研修の最後、受講者全員に大会長より参加のお誘いがありました。この繋がりを更新研修だけで終わらせてしまうのはもったいないと思い、迷わず「行きます」と約束しました。皆さんとの再会を楽しみにしながら、精神保健福祉士として日々励んでいきたいと思います。


<基幹研修3
     
西銘講師による講義1 全体会の様子 代表者による修了証書授与

・ ソーシャルな視点の意義と自分自身の役割への気づき

株式会社アソシア アソシアソーシャルサポート(沖縄県)/経験年数13年10カ月 伊井 統章

 今回の研修を通して、特に印象に残り私自身の気づきになったことは「精神保健福祉士としてのソーシャルな視点」です。それは、精神保健福祉士の国家資格は個人のものではなく、社会的責務を伴うものであるという考え方であり、改めて自分が担っている責務と役割を再認識するとても貴重な機会となりました。

 普段我々の実践の中で、目の前の個別支援に追われその状況を客観的に捉え地域ニーズとして捉えることはなかなか難しいのが現状だと思います。特に現在病院で勤務しているPSWは、病床の回転率が早いためにケースに関わることさえままならず、様々な委員会や会議、記録などに追われ、普段の業務を俯瞰して振り返るために同僚と共有する機会も少なくなっているということでした。また、環境としても業務が病院の中だけで完結してしまうため、地域の関係機関と連携することも少なく、「ソーシャルな視点」として捉える視点も見失っている様子も聞かれました。

 現在、私は圏域における地域移行や地域定着を推進する事業に携わっており、医療・行政・福祉が同じ目的のもと、精神障害者が地域に移行し、自分の望む地域で暮らし続けることを支援するための体制整備を行っています。そこには医療機関のPSWも参画し、それぞれの市町村における地域課題をとおして、どのように地域移行・地域定着を進めていくのかを検討しています。このことを踏まえると、やはりソーシャルな視点を持ちそこに関わるためには「連携」が重要になってくると思います。個の力でソーシャルな視点をもつことはできても、そこから社会に働きかけていくことはかなりのエネルギーが必要になってきます。職種を超えたチームが連携する場を確保し、ソーシャルな視点で働きかけていく体制を作っていくことこそが今私に求められている責務と役割なのだと気づきをえることができました。

 今回、基幹研修Vに応募するまで随分と悩みました。というのも日々の業務に追われなかなか休息も取れていない時期でもあったため、先延ばしにしていました。しかし、そんな大変な時期だからこそ振り返る機会が必要だと考え直し受講を決意しました。結果的に、多くの気づきと学び、つながりを得ることができ返ってエネルギーをもらえた2日間となりました。私が現在所属する職場は精神保健福祉士が少なく、また立場としても管理職ということもありなかなか同じ立場や先輩方と専門性や価値について語らい会う機会も少ないため、今回この基幹研修Vを受講できたことを嬉しく思います。研修を企画してくださった運営スタッフの皆様に感謝したいと思います。ありがとうございました。


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