報告

第33回基幹研修3&第38回更新研修

第33回基幹研修V第38回更新研修を北星学園大学(北海道)にて開催しました。日程は、基幹研修3が8月19日(土)・20日(日)、更新研修が8月20日(日)でした。ここでは、各修了者からの報告記事を掲載します。


<第38回更新研修>
     
今井講師によるソーシャルワーク論 演習の様子 代表者による修了証書授与

・ はじめて更新研修に参加して

函館渡辺病院(北海道)/ 経験年数9年 相川 都
(第38回更新研修修了者)

 去る2017(平成29)年8月20日(日)に開催された「第38回更新研修」に参加させていただきました。はじめての更新研修ということで緊張していましたが、ちょうどお盆時期と重なり札幌が多くの人たちであふれていたため、そちらの方で緊張したような気がします。私の知る限り北海道開催は初めてだったように思いました。更新研修レポートも@とAの2種類あり、読めば読むほど難しくて、私はAのレポートを再提出するところから始まりました。

 午前中は開講式、オリエンテーション、北翔大学今井教授によるソーシャルワーク論の講義がありました。日ごろ仕事に追われている私にとって原点に戻る良い機会だったと思います。「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますが、正直なところ精神保健福祉士の専門性を忘れている自分もいたように感じました。自分のことだけではなく、もっと冷静な判断で余裕をもって、後輩に対しても引き継いでいかなければならないことが多々あることを思い出しました。

 午後はグループ分けによるスーパービジョンと演習で、私の入ったBグループは全員で7名でした。そして、レポート作成時から理解できずにつまずいていた私は、不安な気持ちで午後を迎えました。しかし、みなさんのレポート内容、経験談、アドバイス等を聞いているうちに少しずつ不安が消え去っていた気がします。同じ精神保健福祉士でも職場環境が違うと考えていること、仕事内容等も違いますが、根本的にはジレンマがあることも知りました。また、ピアスーパービジョンの大切さをいまさらですが改めて認識したように思います。とにかく、私以外は経験豊富な方々ばかりで一言一句が胸に響き勉強になりました。今回の更新研修に参加させていただいたことは、燃え尽き症候群の一歩手前にいた私にとって、とても貴重な体験(時間)になりました。
 このような場を提供してくださった更新研修参加のみなさま、2時間もの講義を担っていただいた講師の方、そして準備に追われたであろう事務局のみなさま、本当にありがとうございました。


<第33回基幹研修3
     
岡本講師による講義1 演習の様子 全体会の様子

・ 基幹研修Vを受講して

八雲総合病院(北海道)/経験年数5年 吉田 尚教
(第33回基幹研修3修了者)

 2017(平成29)年8月19日〜20日でさわやかな風が吹き、過ごしやすい時期の札幌開催となりました。今回の参加は16名と少し寂しいが一体感のある研修となりました。
1日目の講義1「精神保健福祉士の専門性3」では立場を超えた関わりや、問題を社会化していくことの意識付け等、地域でPSWとして住民としての関わりについて意識をさせられる講義でした。

 講義2「精神保健福祉制度・政策論2」では個々の問題を一般化、社会化することや表明することの重要性を考え、制度の立案、根拠についても考えさせられる講義でした。
2日目の講義3「精神保健福祉士の実践論3」では目標「現状を変えていく力を養うこと」を主眼に置いての講義でした。印象に残ったのがボランティア活動を続けるコツの中で「結論を出さないこと」「批判しないこと」が残りました。

 演習では8人のグループでテーマ「精神保健福祉士の必要な“ソーシャルな支援”とは?」を話し合いました。主な意見として「都市部とへき地でのソーシャルの違い(へき地では物申すことが出来にくい)」「足を運んで色々な所を見学して吸収する」「間に立つ、孤独、初心に戻るが大切」との意見が出て、活発な話し合いが行われました。そして、最後にピアスーパービジョンを同じ8名で行いました。部下に対してOJTを「管理的機能」「教育的機能」「支持的機能」のバランスをいかにとるか悩んでいる内容のレポートを元に話し合いを行いました。受講生からの意見として「業務改善等で部下への介入は十分に行っているのでは?」「一つの係だけの問題ではないので組織全体の取り組みへ発展出来ないか?」等、こちらも活発な意見が出ました。

 全体の印象としては、今までの基幹研修13とは違う空気を感じました。やはり、一定の経験(業務、研修)を経ている受講生ばかりなので、一言、一言に説得力がありました。職場などでカンファレンスを行っているかのような感じでもありました。と同時に研修認定精神保健福祉士の名前に恥じない様な人間にならなければならないと改めて考えさせられました。研修に関して良かった点と言えば、他の職種(介護支援専門員等)の研修に比べると自己覚知、自己研鑚の色が濃いように感じます。すなわち、受身の研修や国策の考えを浸透させるのではなく精神保健福祉士として考えさせる研修に協会や講師のみなさんの工夫が感じられます。感謝したいです。

 ひとつ、課題といいますか改善してほしい意見を述べさせていただきます。各種研修において目的、目標を明確に掲げて欲しいと考えます。シラバスに掲載されていますが、研修毎に意識付けとして講師から伝えられることにより、より明確になるかと考えます。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。


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