報告

第29回基幹研修2、第30回基幹研修3&第31回更新研修

第29回基幹研修U・第30回基幹研修Vと「第31回更新研修」を広島YMCA国際文化センター(広島県)にて開催しました。日程は、基幹研修2が10月22日(土)、基幹研修3が10月22日(土)・23日(日)、更新研修が10月23日(日)でした。ここでは、各修了者から報告記事を掲載します。


<第31回更新研修>
     
岩尾講師による講義 演習の様子 代表者による修了証書授与

・ 日常に活かせる更新研修にするために

徳島県立中央病院(徳島県)/経験年数15年 小谷尚子
(第31回更新研修修了者)

 去る10月23日に広島で開催された更新研修を受講しました。日本シリーズの広島東洋カープと日本ハムファイターズの試合があり、宿泊先を予約するのが難しくて、人生初のユースホステルで宿泊をするという貴重な体験もしました。

 今回は、受講期限年度の前年度受講をして受けられる早受けの制度があると知り、早めに受けておく方がいいかもしれないと思い立って受講しました。前回更新研修を受けてから早くも4年が経過しており、ついこの間受講したような気持ちでいたので、時間の経過の早さに愕然としました。講師の先生からも、更新研修を受けた後の5年間をどのようにPSWとしてやっていくのかを考えておく必要性についての話しを聞いて、私はこの4年間をどのようにPSWとしてやってきたのか思い返すのが心苦しくなってしまいました。ただただ日々の業務に追われて、都度かかわりを振り返りながら患者さんと向き合うことはできていただろうか、PSWの仲間たちといろいろな思いを共有することはできていただろうか、自己研鑽のために時間や労力を惜しまずにいただろうか、思い返せば思い返すほど、これらのことができていなかったことしか浮かばない自分に気付かざるをえませんでした。

 このような私にとっては、定期的に受けることになっている更新研修は、とても有意義なものです。改めてPSWの原点を確認することができましたし、そのことを踏まえて、原点を日々の業務と照らし合わせながら日常を考える機会にもなりました。原点を確認する機会を自ら持つようにしなければ、日常に埋もれてしまうことはわかっていながらも、できていなかったことを実感しました。

 更新研修自体もとても意義深いものではありましたが、そもそも多くの先輩方や仲間ともお会いする貴重な時間であり、これを機にこれからの自分のありようを考えなおすきっかけともなりました。前回から時間だけが過ぎた4年間の反省をもとに、これからの5年間をPSWとしてどのようにしていくのか。やはり、日々、自分のPSWとしてのかかわりを振り返ること、自分以外のPSWやそれに限らず様々な人とそのかかわりを振り返り、点検することにつきると思いました。結局は、そうすることでしか、PSWの存在意義を確認することはできないと実感する1日でした。

 これからは更新研修で再認識したことをもとに日々の業務に埋もれず、かかわり、そして振り返るPSWとしてやっていきたいと思います。


<第30回基幹研修3
     
廣江講師による講義3 全体会の様子 代表者による修了証書授与

・ 「活到老、学到老」学びを現場へ!

広島県支部 / 経験年数10年 畠山 京子
(第30回基幹研修3修了者)

 広島の地での基幹研修3。広島は最近とみに海外からの旅行客の方々が多く、 被爆の実相を伝える広島原爆資料館の外国人の総入館者数は前年比44.6%増え、更に研修初日は25年ぶりに広島東洋カープがリーグ優勝を達成し、日本シリーズ第一戦目の日でした。日本シリーズでは32年ぶりの日本一にはなりませんでしたが、11月5日には41年ぶりの広島Vバレードが行われ、31万余人の人、人で平和大通り沿道は「おめでとう!」「ありがとう!」の声で熱気にあふれました。戦後復興のシンボルとしてのカープのこのパレードに、戦後の広島の復興の歩み、被爆者援護の歩みをも重ね、振り返った次第です。

 私は国家資格化前より広島で精神科・福祉行政・教育の場で歩みつ、現在、友人達と住み慣れた地域で暮らし続けるために、サロン(真亀さくらクラブ)を立ち上げ、5年近くになります。更に中国と福祉交流を十余年行い、「活到老、学到老」専門職としてその時代の今を、生涯学び続けたく、基幹研修を受講させて頂きました。

 講義13の講義では、河村先生の「かかわり」の在り方として「時熟」、金子先生の「職能団体として結集し、社会的要請に応えていく」、廣江先生の災害支援のガイドラインを改訂され、平常時よりの各種備えの重要性」等、諸先生より、多くの示唆、学びを頂きました。

 ピアスーパービジョンは、グループで事前レポートに基づき、現場での課題、問題点等を出して話し合い、振り返りの場となり、更に場がとても温かく、明日への大きなチカラを頂きました。グループの皆様との出会いに感謝です。終わりは始めで、今回の修了は更新研修へのスタートの第一歩。今後、研修の学びを実践現場でいかし、協会活動にもできるだけ参加させて頂きたいと思っています。事務局の皆様、講師の諸先生方、貴重な出会い、学びの機会に心より感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。


<第29回基幹研修2
     
上田講師による講義1 演習の様子 代表者による修了証書授与

・ 研修を通して

油山病院(福岡市) 葛原 慎太郎
(第29回基幹研修2修了者)

 受講するにあたり改めて生涯研修制度共通テキストに目を通し、自分自身の日頃の業務を振り返る良いきっかけとなった。

 講義1の「精神保健福祉士の価値2」では自己覚知の必要性について理解が深まった。
 「常識だから」「制度がそうなっているから」と制度や常識だけにとらわれていてはクライエントとの関係性が表面的になってしまうのではないかと考えた。また、クライエントを支援する方法の根拠を理解する事が重要であることも感じた。

 講義2の「精神保健福祉制度・政策論1」は昨今、福祉施策や制度が次々に変わる中で今を理解しこれからを考えるためには、改めて過去の精神保健福祉の歴史について繰り返し勉強しなければいけないと実感した。また、常にアンテナを張って制度・施策を吸収すること、それをどのようにクライエントとの関わりに生かし、クライエントのニーズに答えていくかということが大事であると学ぶことが出来た。また、我々現場が制度・施策等では補えないクライエントのニーズを行政に対して声を上げていかなければならないという思いになった。

 講義3の「精神保健福祉士の実践2」ではソーシャルワーカーの視野について学びが多いものとなった。ソーシャルワーカーとしてクライエントと社会資源を結ぶ上で、その方をとりまく支援機関を広い視野をもって見ることと同時に、自分の持っている社会資源という枠にとらわれないことも重要であると感じた。その中でクライエントを中心とした支援だけではなくクライエントの課題・問題に対して一緒に問題解決するパートナーシップ(協同)が重要であることがよく理解できた。また自分自身、援助を展開していく中でクライエントの重要な個人情報の取り扱いに年数を重ねるごとの慣れや感覚マヒにならない事に留意していきたい。

 最後に演習では病院関係の参加者が少なく、スクールソーシャルワーカーや相談支援専門員など分野の違う受講生の方々と意見交換することができ、非常に興味深い時間となった。意見を交わす中で「つながり」の重要性を再認識した。また、改めてソーシャルワーカーとして役割の広がりを期待したい。この研修は私にとって非常に実りあるものとなった。来年、基幹研修3を受けてみたいと思う。

 今回、このような機会を頂き関係者・講師の方々に心より感謝申し上げます。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。


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