「第28回基幹研修(・)」と「第27回更新研修」をコラボしが21(滋賀県)にて開催しました(開催案内)。日程は、基幹研修が2015年10月11日(日)、基幹研修および更新研修が2015年10月11日(日)、12日(月祝)でした。ここでは、基幹研修・更新研修の修了者から報告記事を掲載します。
<第28回基幹研修・第27回更新研修> | ||
佐藤講師による講義1 | 会場の様子 | 基幹研修の全体会 |
国立大学法人 九州工業大学/PSW経験年数12年 下田 学
(第27回更新研修修了者)
今回の更新研修は、滋賀県で実施されました。私自身、初めて滋賀県を訪ね、琵琶湖を眺めながらの研修、また全国の同志とソーシャルワークの学びを深める研修はとても有意義な時間でした。
まず、初日と2日目の前半は、荒田先生、佐藤先生、上村先生の講義がありました。それぞれにおいて、「ソーシャルワークとしての手段に偏るのではなく、やはり目的重視であること」「社会状態を把握し、それを解釈しながら、根拠を持った活動へ転じていくこと」「誰の葛藤への介入なのかを見失ってはいけないこと」などのお話しをいただき、日々の自身の実践スタイルや心構えについて思い返し、見直すことができました。
2日目の後半は、演習およびピアスーパービジョンが実施されました。演習では、精神保健福祉士の「専門性」や「ソーシャルな視点」について話合い、「課題の本質を見抜く」「組織(所属)ルールでなく本人ニーズに沿った活動」「権利擁護」といったキーワードが抽出されました。最後のプログラムであるピアスーパービジョンでは、手段的な検討となりやすい事例検討ではなく、これまでの講義や演習の内容を材料とした専門性やソーシャルな視点を振返ることができる設定となっており、まさにソーシャルワークの目的を抑えたものとなりました。事例を提出した方からは、「ピアでのやりとりは、ストレングスや真のニーズを検討する場面であり、ケースそのものをあらゆる角度から見つめなおし、精神保健福祉士としての実践を点検することにつながった」と話がありました。私を含む他のメンバーにおいても、実践者の活動を賞賛する中で、皆同様の「葛藤」や「揺らぎ」があることを共有でき、日々の実践に対しても「気づき」があった様でした。改めて、スーパービジョン機能の学びを進め、その重要性を体感する機会となりました。
今回の更新研修に参加して、我々、精神保健福祉士の意識の置き方や物事の捉え方は1つに固定されるものでなく、やはり「幅」や「連続性」があるのだろうと感じました。支援スタンスでは、「人として考えていくことから専門的に考えていくこと」、社会資源の発想としては、「ある資源を活用する発想から存在しない資源をつくる発想」、活動の視点においては、「クライエントを見る点から周囲・環境を見る点」等。私自身、「葛藤」や「揺らぎ」の中で、全体ではそこそこ「安定」できるような実践を進めていきたいと思います。講師の先生方、協会担当者の方々、本当にありがとうございました。研修参加者の皆さん、お疲れ様でした。
社会福祉法人萌(奈良県)/経験年数13年 匿名
(第28回基幹研修3修了者)
平成28年2月26日〜27日にかけての2日間、滋賀県で開催された第28回基幹研修に参加させていただきました。
中堅にさしかかり、組織の中で求められる役割も増えつつあります。ひとりのPSWとしての自己点検として、広い意味でPSWに求められる役割の確認として「私たちPSWは何を大切にすべきなのか」を、改めて見つめたいという思いをもって今回の研修に参加しました。
研修を終えた今、本当に参加して良かったと感じています。
講義の中で語られた「福祉の原点」「専門性」については、ソーシャルワーカーになっていく過程にいる私にとって、何度も確認し、実践の中で学んできたことではありますが、やはり心に響き、改めて刻まれていくのを実感しました。あぁこうやって何度も何度も確認し実践を積み重ね、理論と実践を結び付けていくことが大事だなと痛感するとともに、先輩たちから受け取ったバトンをしっかり後輩につないでいくためにも、丁寧にこの作業をやっていかなくてはと思いました。
また、ピアスーパービジョンでは、職場を離れて言語化できる機会を持ち、大切にすべきことに目を向ける時間は、ソーシャルワークを実践していく活力につながることを実感しました。職場を離れ、全く違う環境でPSWとして働く仲間と同じ価値でつながっていることを感じられる時間は、純粋に楽しくもあり、現在スーパーバイジーとスーパーバイザーの両方の立場である私にとっては、スーパービジョンにおいて大切なことを確認する良い機会にもなりました。
今回の研修を通して、定期的に立ち止まり、原点をもう一度見つめることの繰り返しが、本当に大切だと改めて気づくことができ良かったと思っています。
※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。