「第24回基幹研修(・)」と「第23回更新研修」を仙台市シルバーセンター(宮城県) にて開催しました(開催案内)。日程は、基幹研修が2014年9月14日(日)、基幹研修および更新研修が2014年9月14日(日)、15日(月・祝)でした。ここでは、それぞれの修了者から報告記事を掲載します。
<第24回基幹研修・第23回更新研修> | ||
小関講師による講義1 | 会場の様子 | 基幹研修全体会 |
基幹研修代表者による修了証書授与 | 更新研修演習の様子 | 更新研修の皆さん |
桜ヶ丘記念病院(東京都)/経験年数11年 毛塚和英
(第23回更新研修修了者)
認定精神保健福祉士を取り早5年。更新研修は初めての機会となりました。
認定になった5年前、「研鑽を積んだ精神保健福祉士として、どのような業務が出来るのだろうか。活動が出来るのだろうか。」と考え、クローバー委員をしたりもしていますが、職場では11年というキャリアもあり後輩の指導が中心となり、自分自身の振り返りをすることが少なくなっていました。その為、今回の更新研修は、日々の業務に臨む際の気持ちの振り返りをしたい、という思いで参加をしました。
専門性や実践論に関する講義については、精神保健福祉士として大切にしたい理念や価値のことであったり、それに基づいての援助論の話であったりしたのですが、「なるほど。」と思った話としては、『職場に限らず、自分の下の精神保健福祉士の育成にも目を向ける』重要性と、その難しさを考える大切さについてでした。
自分の職場の後輩に対して、病院の業務のやり方やその仕事の重要性を伝え、身に付けてもらうことは出来ていると思うのですが、精神保健福祉士としての理念や価値をどのように伝えていけばいいのか、思い悩んでいました。
なので、講師として話されている精神保健福祉士の先輩も同じようなことで悩んでいるのだな、と感じられた時には共感の思いと、『経験に関係なく、誰しもが悩むことなのだ』と考えることが出来ました。その後のピアスーパービジョンでも、「職場の後輩に、資格者としての自己研鑽の大切さを伝えないのだが上手くいかない。」という話をさせて頂いたのですが、そこでも、働いている地域や経験年数が違う方々からも共感の意見や、「自分の所も…。」と似た悩みの話を聞くことが出来ました。
自分の悩みを話す大切さや共感を貰える有り難さはとても必要なんだな、と、改めて思うことと同時に、悩んだ気持ちを受け止めて貰うことが、次の成長にも繋がるのでは、と考えました。
私たちは資格を取ってからがスタート、と実習指導に来る方たちに伝えることがありますが、認定精神保健福祉士になったことも、改めて資格者としての在り方を問うスタートになるのではないか、と思います。考えること、悩む事の尽きないこの商売。成長を続ける為にも日々悩み、そして、それを共有できる仲間の輪を、これからも作っていきたいと思います。
医療法人社団清泉会 布施病院(青森県)/経験年数5年目 石塚 貴規
(第24回基幹研修3修了者)
私は今年度で精神保健福祉士として勤務して5年目になります。1〜4年目までは同法人内のグループホームにて生活支援員の役割を担っていましたが、今年度から精神療養病棟へ配属することとなりました。法人としても相談室でなく病棟に精神保健福祉士を常駐させることは初の試みで、病棟内での仕事の仕方に前例はありません。初めてのことが多いため、一つひとつ試行錯誤をしながら業務に当たっていますが、いかんせん精神保健福祉士が部署内で自分一人であるため振り返りも満足に出来ていないと感じていました。上記から、少しでも自らの振り返りに繋がればと思い、この度基幹研修に参加することに致しました。
今回の基幹研修のピアスーパービジョンで、私はある個別事例を提出しました。現在抱えているケースの中でも行き詰っている事例でした。ピアスーパービジョンというものに初めて触れましたが、経験豊富な先輩方が一緒に自分の事例について、じっくりと180分も考えてくださったことにありがたさと申し訳なさを率直に感じました。決して具体的な打開策が見えた訳ではありませんが、自分に出来ることがまだあるのではないかと事例に対しての見方を前向きに捉えられるようになりました。また、話の中で精神保健福祉士の資質や技術の向上について、自身の人間力が深く関わっているのではといった話題が非常に印象的でかつ腑に落ちた内容でした。
考えてみますと、私たちは常に自分という人間でもってクライエントと対峙していくものだと思います。それを何度も繰り返して精神保健福祉士自身も成長していくものだと思います。私自身、1年目の自分と現在の自分を比較してみると、恥ずかしくなるほど1年目の自分は失敗続きで何も出来ていませんでした。もちろん5年目の今も常に不安は付きまとい、まだまだ至らない部分も多いように感じています。しかし少なくとも1年目よりも前進していることは明らかだと言えます。今後はクライエントに対してその時々の自身の人間力をより意識的に活用し、共に成長出来る存在でありたいと思います。
2日間の研修期間中、多くの先輩方のご意見やお言葉に触れたことで、それが自身の振り返りとこれからの刺激にもなり、次の日からの仕事に対しても身の引き締まる思いで向き合うことが出来ました。今回提出した事例についても基幹研修で得たことを活かし、可能性を信じて根気強く関わっていきたいと思いました。本当にどうもありがとうございました。
<基幹研修> | |||
長谷講師による講義3 | 演習の様子 | 代表者による修了証書授与 |
NPO法人グループゆう(宮城県)/経験年数6年 佐藤こず枝
(第24回基幹研修2修了者)
私は地元仙台で基幹研修を受講しました。最近は経験年数が増え、任される仕事も増えてきており、やりがいを感じている反面日々の業務に追われてしまい、ともすると業務に流されてしまいそうになっている自分がおり、自分自身を見つめる時間、ソーシャルワークについて改めて考える時間と場所になればと思い申し込みをしました。
少し話がずれますが、私の所属する法人は母子通園、放課後等デイ、就労支援事業所、相談支援事業所、地域活動推進センターの運営を通して幼児から成人期の自閉症スペクトラムの方やそのご家族へ一貫した支援を実践することを目指してサポートを行っています。その中でも、私は総合支援法枠ではサポートしきれない部分となる成人期の就労前支援と就労後支援を担う地域活動推進センターに所属しております。仙台市内には3か所設置されていますが、当センターのような成人期の社会的な所属を持たない層に居場所を提供する事業を行っている事業所は全国にもまだまだ多くはありません。プログラムや相談業務を通して利用者様との関わりについても日々悩みながら業務を行っています。この領域自体がまだまだ過渡期であり精神保健福祉士の専門性が活かされるフィールドでありながらまだまだ活躍されている方は多くはない状態かと思います。そんな中で精神保健福祉士である私に何が出来るのか?やっていることは良い方向に向かっているのか?日々試行錯誤しながら業務を遂行しております。
そのような中で今回研修を受講したわけですが、講義を通して改めて精神保健福祉士について考える機会を得たことで初心に帰れた気がします。精神保健福祉士とはどんな役割の仕事人なのか。精神保健福祉士の自分に求められることは何か。講義を拝聴しながら自問自答を繰り返していました。また、後半の演習では様々な業界で活躍されている精神保健福祉士の仲間とテーマを通して語り合うことが出来ました。それぞれ従事するフィールドが違いながら、職場の中での自分自身の立場やクライエントや利用者との関わりについてのお話を伺いながら、業種や立場が違えど共感できる部分をもっているのは同じ精神保健福祉士である仲間、同士だからだと感じることが出来ました。また、自分自身が話をした時にも皆さんが共感して下さったことで自分自身も認めてもらえたような安心感が得られ、1日という短期間ではありましたが、有意義な研修を受講できたと思っております。講師の皆様、一緒のグループだった皆様にこの場を借りて感謝いたします。