2014年度は、3月1日(日)、愛日会館(大阪府大阪市)にて「ソーシャルワークの価値・理念に基づく実践力の向上」を開催しました。修了者からの報告記事を掲載します。
岩本講師による講義1 | 会場の様子 | 演習の様子 | 代表者による修了証書授与 |
栗田病院(茨城県)/経験年数12年/池永 潤
私はこれまで精神科デイケアで仕事をしてきましたが、多職種の中におけるPSWの専門性とは何かが今一つ掴めていませんでした。今回、業務指針に関する研修に参加することで、これまでの自分自身を振り返るきっかけを掴めたように思います。特に、業務指針とは、具体的な業務を切り口としたPSWの理念に向かう道筋を示したものだということが、私の中に深く残りました。また、精神保健福祉士の業務は幅広く、ミクロ・メゾ・マクロの単位でやるべきことがあるいうことを再認識することで、普段の業務の中で「自分の仕事はここまで」という限界を自身の中で作っていたのではないかと反省させられました。
グループワークでは、業務の中で感じているジレンマとして、「本人の想いを大切にするというだけでは医師や看護師、作業療法士等の他職種に考えを理解してもらうことが難しい」という自身の体験を話しました。このグループワークを通じて、自身の考えを言語化して伝えることの難しさと同時に、私たちがPSWとして支援を行う際、何を根拠にすべきなのかという点についても再度考えさせられました。多職種の中で本人の声を伝えていくためには、支援者としてかかわりを持ち続ける姿勢が大切だと思います。今後は、周囲に流されてPSWの基本姿勢を見失ってしまわないよう、危機感を持って業務に臨んでいきたいと感じました。
今後は、この業務指針をどのようにして活かしていくのかを考えていきたいと思います。この研修で学んだことは、同じ職場や地域のPSWにも伝達していきたいのですが、倫理綱領との繋がり等、表記が複雑な部分が多々あるので、研修を受けていないPSWに対して分かりやすく伝えることが課題だと感じました。また、業務指針には、「他職種とのコミュニケーションが大事」ということは書かれているのですが、どのようにしてコミュニケーションを取るのが適切なのかという点については書かれていないため、この点については自分たちで探していくしかないように感じました。
一方で、自身の業務を振り返る時だけでなく、実習指導や新人教育、他職種との話し合い等において自身の考えを言語化する際にも、この指針は非常に有益なツールになると思います。今後の業務の中で「自分のやってきたことは、本当にこれで正しかったのか?」という迷いが生じることもあるとは思いますが、そんな時には、業務指針の冊子を手に取って、基本に立ち戻りたいと思いました。
※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。