東日本大震災復興支援委員会 中山 智幸
2017年3月18日~19日に「復興支援ツアー in 宮城」が開催されます。
宮城での開催は今回で2回目となり、前回開催より間もなく2年が経ちます。
この2年の間、宮城県でも引き続き様々な分野で復興整備が進められてきました。災害公営住宅の進捗状況では2017(平成29)年1月11日現在で着手が約96%、既に完成し入居が進められているのが約80%。2018(平成30)年までに全ての災害公営住宅の整備完成が見込まれています。道路施設では、2016(平成28)年10月に登米志津川道路間(三滝堂IC~志津川町IC)が開通となり、南三陸町と仙台都市圏が高速道路で結ばれました。この事により経済産業の活性化や災害時の緊急輸送路が確保されることになりました。鉄道に至っては、2016(平成28)年12月にJR常磐線(浜吉田駅~相馬駅)が運行を再開し、県内在来線が全線で復旧しました。宮城県より他県に避難生活をしている方は、2016(平成28)年11月末現在で3,450人。
震災より5年11ヶ月が経過し住環境の整備も進む中、必然的に生活スタイルも新しい環境に合わせていかなければいかず、そういった周りの環境のスピードに心の整理や準備が追いついていないのが現状ではないかと考えます。新たな場所で生活する事で住みやすく便利になりますが、新たな環境に馴染んでいけるかどうか不安もあり、心と環境のバランスを保っていくのは容易なことではないです。
また、復興の進みも地域差があり、まだまだ復興半ばの地域も数多くあります。復興支援ツアーでは、現地で働くスタッフからの講話や沿岸部などの視察も予定しており、宮城の“今”を見て頂ければと思います。すでに、多くの方から申し込みがあり、新たな縁があることを今からとても楽しみにしております。当日は、委員一同心よりお待ちしております。
さて、2020年東京五輪・パラリンピックが開催されます。その主会場となる新国立競技場のデザインを手掛ける建築家 隈研吾さんが、宮城県南三陸町の復興計画で整備される「南三陸さんさん商店街」のグランドデザインを手掛けることになり、2017年3月3日にオープンの予定です。
この商店街は、2011年3月の東日本大震災の津波で大きな被害を受けた商店などで組織され、「サンサンと輝く太陽のように、笑顔とパワーに満ちた南三陸の商店街にしたい」というコンセプトのもと、2012年2月に仮設商店街としてオープンし、震災より5年経過した2017年3月にようやく本設オープンの運びとなりました。
そして、同町の復興まちづくりを隈謙吾さんが担当した縁から、「南三陸さんさん商店街」の建築木材でも使用された美人スギが、東京五輪・パラリンピックの新競技場にも採用される可能性があるようです。ボート・カヌー場の候補地として宮城県登米市の「長沼ボート場」は残念ながら見送りとなってしまいましたが、美人スギを使った競技場で世界中のオリンピック選手が華麗なる演技を舞う姿を見てみたいと期待に胸を膨らませています。