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東日本大震災復興支援委員会メッセージ

一陽来復を願って

 

東日本大震災復興支援委員会委員
 長谷 諭

 今年も残すところあと1ヶ月を切りました。皆さんにとって今年はどんな1年だったでしょうか。宮城では今でも新聞などで震災に関する報道を毎日目にします。先日は石巻市が東日本大震災の災害公営住宅の供給計画を改定し、被災者が現在住むみなし仮設住宅を市が一部借り上げ、みなし災害公営住宅に切り替えるという方針を打ち出したとの報道がありました。いくつかの要因があるのでしょうが、災害公営住宅の整備がなかなか進まないことも要因の一つとしてあるのではないかと思います。来年の3月には震災から丸5年となりますが、これからもこのような変化は続き、それに伴い支援のありようも変わっていくものと考えられます。

 復興支援委員会では、復興道半ばで継続的な支援を要する障害福祉サービス事業所等の販路拡大の一助となることを目的とした事業を新たに開始しました。それに伴い、本委員会で発行している「東北復興PSWにゅうす」にて同事業に参加いただいた事業所を紹介するため、今年の10月「きらら女川」さんにお邪魔してきました(紹介内容については「東北復興PSWにゅうす」をご覧ください)。「きらら女川」さんの活動については震災後全国から現地に駆け付けてくれた仲間などの話を聞き、少しはわかっていたつもりでした。しかしながら、そこで伺った話は想像以上の「苦労」や「葛藤」、「想いやり」や「希望」に満ち溢れた内容であり、自身がわかっていた「つもり」であったことに気づかされ、浅はかであった理解を恥じるとともに「知ること」の大切さを改めて実感させていただいた機会となりました。

 同じ県内にいながらも「知らないこと」がまだまだ沢山あります。それは東日本大震災に関することのみならず、日常業務の中でも言えることであると思います。普段のソーシャルワークの中でも知らないことを「知っているつもり」でやり過ごしてしまってはいないか…。全てを知ることはできなくても、時々立ち止まりながら考えることの必要性を教えていただくことができた訪問でもありました。

 今年一年を振り返ると、岩手と宮城の復興支縁ツアーの開催、福島での全国大会など、このWEBメッセージや「PSWにゅうす」の他にも東北の「いま」を全国のみなさんに知っていただき、交流する機会がありました。そこで生まれた言葉や想いは今もなお胸の内に残り、自身の原動力の一つとなっています。

 これからも復興支援委員会では「発信すること」を続けていきます。全国の皆さまもぜひ声を寄せてください。相互交流を図りながら、ともに「知り」、「考え」、歩みを続けていきたいと思います。