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東日本大震災復興支援委員会メッセージ

この地でマスオさんが思うこと

東日本大震災復興支援委員会委員
 今泉 英博

 今年は何やら季節が1〜2週間くらい前倒しで動いているようです。皆さん体調などいかがでしょうか?
 少し自己紹介させていただくと、私の生まれは秋田県。学生時代は福島県で過ごしました。そして現在、岩手県大船渡市に住みながら、陸前高田市にある医療法人に勤めております。
 家庭内ではいわゆる“マスオさん”です。結婚し、岩手の沿岸で生活を始めて7年目の終わりに震災がありました。自分以外の家族は根っからの大船渡市民。
 さて、ここでひとつ皆さんにも考えていただきたいな、と思います。
 私と、私の家族との間で、“震災”という言葉の意味は同じでしょうか?
 自宅を失ってしまった人はどうでしょうか?仕事を失ってしまった人は・・・?大切な人を失ってしまった人は・・・今、どんな思いでいるのでしょう? 私は未だに、震災についての私自身の思いですら上手く語ることができません。まして、この地のさまざまな状況のさまざまな人々の思いを捉えることは、とても難しくなってきています。
 私はいったい今、誰の、どんな“思い”を語ることができるでしょう?
 そもそも誰の、どんな“思い”を知ることができるでしょうか?

 ところで私は、一応精神保健福祉士だったりします。
 どこまで実践できているのか我ながら怪しいですが、とにかく「その人の思いを知りたければ、その人のいるところに行って、その人から聴く」のが大切だと思っています。たとえ話がまとまらなくても、言葉にならなくても、その人と接することで何かを感じ取ることができるかもしれません。感じ取ったことがただの“思い込み”や“決めつけ”であってはならないので、できるだけ何度も会い、話したり、一緒に考えたりすることで、少しずつでも“その人の思い”に近づけるのかなぁ、と思います。
 東日本大震災復興支援委員の一員となり、自分の力不足を感じながらも、福島での復興支縁ツアーへの参加や岩手ツアーの開催、さらに福島での全国大会への参加などなど経験させていただいています。そうした活動のなかで、全国にはたくさんの素敵な仲間がいることを強く感じました。
 こうした方々(皆さんのことです!)なら、被災地の人々が上手く話せなくても、この地に立って話をしてくれることで、言葉以上の何かを感じ取ってくれるだろうと信じています。言い換えると、何も私個人が上手く喋ろうとしなくても良いんだ、と、こっそり開き直っています。

 「東日本大震災復興支援活動助成金」をご存じでしょうか?
 このメッセージ一覧のちょっと上あたりから「助成金交付事業のご報告」をご覧ください。さまざまな復興支援活動の助けになっている事業だと思います。「復興支縁ツアーに参加したいけど、日程が・・・。」「行きたいとは考えているけど、予算が・・・。」「交流会や研修会をしたいけども、相手方に負担をかけてしまうのでは・・・」例えばそんな時に、ふと思い出していただけると良いかもしれません。

 行ってみる・会ってみる・話をしてみる。それだけでも皆さんは「何か」を持ち帰ることができる能力があるのですから、ぜひ活用できるものは積極的に活用して、行きたい場所に行き、会いたい人に会って、話をしていきましょう!