新年度を目前に、慌ただしい年度末の一日です。今、私は2006年に本協会の会長となってからの3期6年間を振り返り、実にさまざまな出来事があったことに、深く感じ入りつつ、私にとって最後のつぶやきを記しています。
1976年に民間の精神科病院に就職以降、ただ目の前の精神障害のある方々の社会的復権や、「あたり前の生活」をめざし、彼らの入院生活や地域生活を少しでも良いものにと日々過ごしていました。そんな中、地域のPSWの勉強会に参加し、本協会の会員になり多くのことを学び、仲間ができ救われたこともたくさんありました。1995年からは本協会の理事を、1999年からは常任理事を務め協会運営にも参画し、その間には、国家資格化に向けての奮闘、診療報酬委員会の立ち上げ、多様化した業務の実態調査を行った業務検討委員会、法人化へ向けての組織部の活動などさまざまなことがありました。
会長就任以降は、関係機関や団体との会議に多く出席するようになり、本協会の会長としての重責と、それは我々精神保健福祉士や何よりも精神障害のある方々のためのものであることを強く感じました。
生涯研修制度体系の構築、都道府県精神保健福祉士協会との連携強化による組織率の向上、地方行政に関与できる組織体制の構築や、精神科医療機関における援助業務の診療報酬上の適正評価の要望、生活保護行政における自立支援プログラムへの積極的関与、認定成年後見人ネットワーク「クローバー」の運営、業務指針の作成などにも皆さんとともに取り組み、今年度は“資質向上”“全力で支援”の推進を図るという中期ビジョンに基づき、具体的な5年間の計画作成に辿りつきました。
保護者制度の見直しや精神科医療における人員体制の見直し、障害者自立支援法の改正など、精神障害のある方をとりまく状況は、日々変化しているとともに、今後の課題はまだまだ山積しています。精神保健福祉士への期待とともに、構成員が活躍する場も、職域も広がり続けています。
我々精神保健福祉士は、対象者の力や強みを信じ、一緒に考え成長したいと考えています。今後も精神障害のある方を取り巻く環境が少しでも良い方向へ進むように、構成員一人ひとりが“誰がための国家資格や組織なのか”を念頭に置き、精神障害のある方々の社会的復権と福祉の向上、そして国民の精神保健の向上に寄与できるよう、実践を積み上げていただきたいと思っています。私もその一員として努めたく思います。
3期6年間有難うございました。