2011年2月17日 実習指導者の養成に想う

 今年も早いもので、あっというまに立春も過ぎ、確かにほんの少しずつ陽が長くなっているのを感じます。三寒四温、寒さも緩んだかと思うと、また襟を立てたくなる寒さとなったりしているうちに年度末を迎えるのでしょう。と呟いたら、各地で大変な大雪となりました。ご苦労をなさっている皆様には心よりお見舞い申しあげます。例年でも年度末は忙しいものですが、私の場合、今年は病院改築に向けた建築委員会に参画しているため、目が回る忙しさです。さらに、病院の将来像との兼ね合い、つまりは病院で提供する精神科医療の将来像とも絡むため、組み立てているのは、梁や壁だけではなく、機能や人員などでもあって、重たく大きな作業です。ついタバコを口にしたくなるものの、未だ電子タバコで収まっています。

 この年度末は新カリキュラムの施行に向けて、本協会が厚生労働省から委託を受けた「精神保健福祉士実習指導者講習会」を各地で開催しますが、私も初回の講師向けに実施したモニタリング講習会を受講しました。受講者仲間は、一様に現任者講習会以来の充実した疲労感を味わったと言いつつ、豊かな実践や実習指導の経験年数を持つ人たちが、改めて振り返りや客観化、言語化の重要性についての実感を共有していたようです。私もまさに同感でした。

 精神保健福祉士実習指導者講習会に関連して、趣旨説明と実習指導の資格を持つ方々への受講に関するご高配をお願いするべく関係各団体の本部を回らせていただきました。また、各地域の関係団体には支部の役員さんが回ってくれています。

 多くの関係団体の皆さんが前向きに趣旨を理解され、ご協力いただける状況ですが、なるべく休日をあてた講習会であっても現場によっては勤務体制に支障が出るというようなことや、講習会の受講料の捻出主体は誰かといったようなことに関しては、幾つかのご意見等があるようです。

 私たちが力をつけることはもとより、新しく資格を取ろうとする人たちの養成は、時代をつなぐ支援人材を育成することであり、私たちが目的とする精神障害のある人の権利を護り、生活の豊かさを支援することにつながります。今回の取り組みは、その必要性を理解して応援していただけるような普及啓発にもなると思われますが、如何でしょう。

 私たちが当事者や家族の力強い応援団となるには、私たちも応援してもらえるような存在になることも大切です。そのためには、こんな支援や活動をしたいと思っていて、そのためにも、こうした学びが必要だということや、ネットワークを作りたいと考えている思いを伝えることが大切です。目の前のことに追われやすい、目の前のことをこなすことに必死にならざるを得ない、そんな状況が多くの現場で続いていますが、少しだけ将来の地域の姿、障害のある人を取り巻く状況の改善イメージを描きながら、自分たちの実践や活動の設計図に手をいれること、色彩を加えるような発想を持つ余裕や時間の捻出も大切かもしれないなあと、しばらく登る時間を作れないでいる山を眺めています。


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