2010年12月15日

 今年もいつのまにか師走を迎えましたが、忘年会の合間を縫っての上京が続いています。12月3日には関係団体が主催する精神科チーム医療に関する会議に出席するため、9時半開始に十分間に合うように早朝に乗った新幹線が、季節外れの大雨に信号故障等トラブルも重なって90分も遅れました。会議に間に合わないイライラから思わず電子タバコ(11月から休煙中の身です)を手にしたものの、周りの刺すような目が気になり吸えずじまいでした。

 さて、今年は厚生労働省の検討会をはじめ「チーム医療」に関する話題が注目されています。医師不足を補う形での特定看護師の創設の議論に端を発していることとは言え、学際的なチームアプローチの必要性が昔から言われながら、これまでは「チーム医療」が形として国民には目に見えてこなかったものでした。我が国においてはチーム医療が制度やシステムとして位置付けられてこなかったためであり、少なからず議論の俎上に上ったことは歓迎すべきことでしょう。精神障害者の支援にあたる日常においても、日々他職種とのチームによる支援提供を基本としているわけですが、改めて精神科におけるチーム医療のあり方も考える機会にしていきたいと考えています。

 ところで、新幹線が遅れ会議に遅刻したその日の正午過ぎに、精神保健福祉士法の改正案が参議院で可決・成立した旨の第一報が電話で入りました。本協会としては、4年前から資格制度の見直しの必要性を訴え続け、政局がらみから二度の廃案という憂き目に遭いながらも、ようやく達成された法改正です。思えば、1997年に精神保健福祉士法が成立したのも臨時国会の最終日で、何かの因縁を感じずにはいられません。

 改正法の施行は2012年4月になりますが、私たち精神保健福祉士が精神障害者の地域移行支援や地域定着支援に関する相談を担う専門職として位置付けられ、より実践力の高い精神保健福祉士の養成も行われることとなります。誠実義務、資質向上の責務に加え、他職種との連携もしっかりと入りました。本協会が果たすべき役割を見据えて、真に求められる国家資格に育てていかなければと思いを新たにしています。


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