いつまで酷暑が続くのかと心配していましたが、急に秋らしくなり、私が勤務している病院では先日第47回の大運動会が約1700の参加者で無事開催されました。その内1000名を超える地域住民や通所施設のメンバー・スタッフと地元の小学校も参加して、今やこの地域の秋の恒例行事までになり、すっかり定着しました。長い積み重ねの中で、地域に開かれた病院であることを実感できるひとときでした。
さて、まもなく精神保健福祉士の教育内容の見直しに関連した省令・告示が改正され、2012年度から施行されることとなります。新たなカリキュラムでは、精神障害者の相談支援を精神保健福祉士のコアの業務に置きながら、地域を軸とした支援展開をより進めていくこと、対象領域の広がりにも対応しうる技術・知識を高めることなど実践力の高い精神保健福祉士の養成が求められることになります。
想えば、2006年に本協会が精神保健福祉士法の見直しを含めた検討の場を国に求めたことが始まりでした。紆余曲折を経てカリキュラム改正だけでも4年の歳月を要することとなったのです。本体の法律改正については、政局がらみで二度の憂き目に合っていますが、気を引き締めなおして法改正に向けた活動に臨みたいと思います。
一方で、専門社会福祉士認定システムの構築に向けた取り組みが本格化しています。昨年度末、日本社会福祉士会は専門社会福祉士研究委員会の報告書を公表しました。そのなかで、「認定社会福祉士」および「認定専門社会福祉士」の認定要件に、「認められた職能団体の正会員であること」が含まれています。この認定システムは、日本社会福祉士会の会員に限定したものではなく広く社会福祉士を対象としており、例えば本協会の構成員でなおかつ社会福祉士資格を有している者については、一定の要件を満たしていれば認定を受けることができるというものです。
このことから巷では、いずれ社会福祉士の資格に全て取り込まれてしまうのではないかなどの憶測を呼んでいるようですが、事実ではありません。我々は、法改正を目指し、ますます自分たちの役割を果たしうる研鑽を重ねるために、本協会の研修制度を利用する構成員が増えるよう、取り組まなくてはと考えています。
専門社会福祉士認定システムは、いよいよ今月から具体的な検討に入りましたが、研修の認証機関については、職能団体や教育機関とは独立した第三者機関を設置することが構想されています。私も昨年度に引き続き検討の場に参加していますので、本協会の立場と視点でしっかり発言していきたいと考えています。