2024年能登半島地震災害対策本部

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災害支援活動(第一次):石川県珠洲市における石川県精神保健福祉士会の支援活動補佐

災害支援活動報告及び災害支援員による活動所感等

※本ページに掲載している写真は、報告者が掲載確認をとっています。

活動日 第6週:2024年5月27日(月)〜5月31日(金)
担当災害支援員 松田聡一郎(福島県支部)
小川義明(富山県支部)
福井淳夫(富山県支部)5/30(水)のみ
期間内支援協働者 石川県精神保健福祉士会 坂井氏、木谷氏、奥田氏
日本相談支援専門員協会 森氏
珠洲市ふれあいの里健康増進センター職員様
珠洲市社協 珠洲ささえ愛センター職員様
珠洲市役所福祉課職員様
富山県介護支援専門員協会 支援者様
ワンファミリー仙台 支援者様
期間中の活動内容概要 ・珠洲市役所福祉課「被災高齢者等把握事業」での在宅訪問協力
・支援チームミーティング参加
・各事業における訪問記録作成

報告者:松田聡一郎さん 

 私は5月最後の第6陣として珠洲市に入り、市役所の被災高齢者等把握事業に従事しました。発災から5ヶ月が経とうとする時期でしたが、まだ水道の開通率は7割程度で、「やっと電気・ガス・水道が通じた」という声を各地で耳にしました。場所にもよりますが、古い建物の多くは倒壊し、押しつぶされている状態でした。中には危険判定がされていても、なんとか建っている家に住み、生活を続けている人もいました。「自分の家だからね」と話された方の、疲れに満ちた表情は今も忘れられません。

 災害支援では「生命」、「生活」、「人生」の3つのLifeを念頭に置かなければならないとされています。今回の珠洲市での支援を通じ、生命と生活をなんとか取り留めたあとの、人生の支援について考えさせられました。私たち精神保健福祉士は、生活の支援を念頭に置きます。しかし、災害支援ではその後の人生にまで目を凝らして、生活に伴走する必要があるのだと思わされました。

 最後に、お世話になった石川県精神保健福祉士会の皆さまをはじめ、たくさんの関係者の皆さまのご尽力とお支えに感謝を申し上げ、筆を置きたいと思います。

報告者:小川義明さん

 第6陣として現地での活動に参加させていただきました。今回のような災害支援活動に参加させていただくことは初めてであり、発災から約5カ月の珠洲市の状況を目で見て確認し、「自分に何がでいるのだろうか」とまず思ったのが率直な気持ちです。市役所福祉課の被災高齢者等把握事業への協力として、ひたすら現地では2次訪問あるいは3次訪問としてご家庭を訪問させていただき、とにかく現状を確認し、ライフラインの確認や健康面のこと、日常的に困っていること、訪問先でいろんな話を伺いました。再建途中で少しずつ状況変化があるとはいえ、現地はまだまだ復興半ばの状況です。現地の人にしか理解できないであろう様々な悲しみやご苦労、不安感は尽きないと思います。でも印象に強く残ったのが、珠洲の方々の優しい人間性です。外部から来た僕のような人間に対して、聞いたこと、質問したことすべてに嫌な顔を一つせずに答えてくださり、話を聞くことしかできませんでしたが、それが少しでも現地の方の力になってくれたかなと思い返し、活動を振り返りながら富山県まで車を走らせました。6月以降、日本協会からの派遣が途切れる週もあるとのことであり、再度協力すべきかどうかについても思案中です。とりあえず、第6陣としての報告とさせていただきたいと思います。 

一緒に組んでくださった福島県の松田さんには本当にお世話になりました。
 また、石川県協会の方や日本協会事務局の方、災害支援体制・復興支援委員会の皆様、珠洲市の支援者の皆様や支援活動を共にした他団体の皆様に心より感謝を申し上げるとともに、現地での一日でも早い復興を心からお祈りしています。


活動日 第5週:2024年5月20日(月)〜5月24日(金)
担当災害支援員 中野正人(茨城県支部)
堀川綾香(富山県支部)5/20(月)〜5/21(火)
辻川 彰(神奈川県支部)5/22(水)〜5/24(金)
期間内支援協働者 石川県精神保健福祉士会 木谷氏、岩尾氏、蔭西氏
日本相談支援専門員協会 森氏、中新地氏
珠洲市ふれあいの里健康増進センター職員様
珠洲市社協 珠洲ささえ愛センター職員様
珠洲市役所福祉課職員様
期間中の活動内容概要 ・珠洲市役所福祉課「被災高齢者等把握事業」での在宅訪問協力
・支援チームミーティング参加
・各事業における訪問記録作成

報告者:中野正人さん 

 今回の活動で学んだことは、対話の大切さについて、です。

 相手を尊重し、言葉を受け止め、理解し、わからない点があれば確認し、必要な人に更に伝えるという基本的なプロセスが、今回の被災地支援の現場において、多くの支援者が集う中で、いかに大切なことかを実感した。お互いに初めて会う様々な立場の支援者達が、現地の支援者の指揮の下に、情報を得て、課題を共有し、活動し、またその振り返りを行う際に、その大切さが際立つ。
 そしてまた、訪問時に、現地にお住まいの方にお会いし、話を聞かせていただいたことは、大変有り難く感じた。
 また、いま一つ、私のような外部から活動に入る者にとって、独りではなく、同僚がいることは、大切なことであり、その同僚との対話が、私にとっての心の支えになった。その意味での対話は、被災された場で目にする光景などからくる曰く言いがたい思いを言葉化する事で、いくらか軽減されるように思う。また、その同じ光景を目にしているのが私だけではないという事も、特に後になって(恐らく今後その光景を思い出す時があり、その時にそこに私以外の人と共にいたということで、それが本当にあったことであり、少なくともその同僚とは共有できているという経験が。)大切になるように思われる。

最後に、今回の活動を支えて下さった皆様へ感謝し、震災に遭われた皆様の回復を祈ります。

2024年5月28日

報告者:堀川 綾香さん new

 珠洲市では発災後に状況確認の全戸訪問を行っておられ、その補完や再訪問の協力をさせて頂きました。

 命の危機を経験し大切な人や物を失くした方がおられる、非日常の生活が日常になっている、安心できる生活と思えない方が「大丈夫」と言われる、「今後のお金も人生も残っていない」と仰る。被害に遭われた家々の光景や、ライフライン復旧状況などの情報、目の前の方が教えて下さるご自身の状況や人生の現在地から想像すると、そう言わざるを得ないのだと、その言葉を受け止める重さを感じました。

 現地自治体や支援団体によるものと同時に、様々な外部団体による、個別・集団・地域の支援が展開されている中に入らせて頂き、自らも被災されている現地支援者の方々と行動を共にさせて頂く中で、頭の下がる思いと、被災地において支援者支援が基本となる意味と大切さを実感しました。

 被災地で支援をさせて頂くのは初めてで、無力感や後ろ髪引かれるような、整理しきれない様々な思いと共に帰路につきました。平日朝、自分は能登を出る方向に車を走らせましたが、対向車線に、困難の中で今日もご自宅や職場を目指す自家用車、トラックや他の地域の名前を付けた支援車両が、次々と能登の先へ向かっていました。その光景に、人が生きていくこと、人が人を支えること、人の弱さと強さを思いました。自然災害や困難があった時に、人は弱いけれど立ち上がる。支えようとする側も1人にできることは小さいけれど、繋ぐことで力になれることがある。被災地でお会いさせて頂いた方々が、SWや個人としての私に多くの気付きを与えて下さり、今後を支えて下さる。誰でも支えられると同時に支えていると、強く感じました。

 また、何もできなくても隣にいる、隣の人が何を思っているかをみつめ、何もできずにいる自分をみつめ、次にできることを考える。目や数字で見えないものや、結論が明確でない言葉は、弱いと言われ、なかったことにされやすい社会において、受け止めるので発していいよと伝える。精神保健福祉士として、目に見えないものを尊重し、必要なときは見える形にする役割があると、活動を通じて改めて意識しました。

 受け入れて下さった珠洲市や石川県、石川県士会の皆様、活動を整備し支えて下さった日本協会の皆様、共に活動させて頂いた5陣と支援員の皆様に感謝申し上げます。能登のためにできることを続け、SWとして日々目の前の方に向き合い、世に起きている幸せや不幸せに思いを寄せていきたいと思います。

報告者:辻川 彰さん 

 帰宅してから日本協会のハンドブックを読み直し、改めて「準備の重要性」を感じました。
 事前にオリエンテーションに参加させて頂いたり、ハンドブックや先遣チームの引継ぎ、日報等も拝見しましたが、直前(行きの新幹線)で仕事に追われて読み返すことができず、準備不足を痛感しました。
 地元の支援者の方や石川県士会の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて感謝申し上げます。


活動日 第4週:2024年5月13日(月)〜5月17日(金)
担当災害支援員 三瓶芙美(神奈川県支部)
青木美紀(鳥取県支部)
期間内支援協働者 石川県精神保健福祉士会 木谷氏、奥田氏、岩尾氏、堂前氏、蔭西氏
日本相談支援専門員協会 中新地氏
珠洲市ふれあいの里健康増進センター職員様
珠洲市社協 珠洲ささえ愛センター職員様
珠洲市役所福祉課職員様
期間中の活動内容概要 ・珠洲市役所福祉課「被災高齢者等把握事業」での在宅訪問・避難所訪問協力
・珠洲市社協「ささえ愛事業」での仮設住宅訪問協力
・支援チームミーティング参加
・各事業における訪問記録作成

報告者:三瓶芙美さん

 珠洲市福祉課にて石川県の「被災高齢者把握等事業」に従事させていただき、たくさんのご家庭を訪問しました。自宅の被災状況や罹災判定の状況を聞かせていただき、現況やこれからの再建のことなど伺いましたが、悩み、不安はそれぞれです。通水の状況(珠洲市内はまだ断水の箇所や固定電話の不通が続いているご家庭もありました)、自宅再建について、支援金等の手続き状況、健康面、メンタル面、仕事のことなど、家族のこと、いろいろとお話を伺いました。困難な状況は長期化しているのは明らかですが、「もう通水して落ち着いたからうちは大丈夫です」「避難所よりまし」「ほかのお宅よりはまし」「困ってることはありません」との言葉も聞かれます。商店の方からは「(今は大丈夫そうでも)ずっと我慢してきているから、メンタル面の不調がでるのは、これからではないでしょうか」とのお話も伺い、後ろ髪を引かれるような思いで珠洲市をあとにしました。

 支援の方向性について判断をするのは難しく、支援チームミーティングや福祉課の申し送りで相談をしていました。珠洲市の福祉課の地元の職員の皆さんは、市民のことを本当によくご存じでした。また、石川県精神保健福祉士会のみなさん、健康増進センター、珠洲ささえ愛センター、MSW協会、ケアマネ協会、民間支援団体などの専門職の方々が、活動を共にしており、日々心強く、大変勉強になりました。

 現地に赴かねば感じ得なかったであろうことをたくさん知り、終了後も「自分に何が出来ただろう」と悩み、また関わらせていただいたご家庭や現地の支援者の皆さんのその後に思いを馳せる日々です。今後も自分自身に今出来ることを、考え続け、取り組みを続けたいと思います。

 災害体制整備・復興支援委員会の仲間や先遣メンバー、協会事務局の皆様の手厚いフォロー、そして一緒に活動いただいた青木美紀さんや石川県精神保健福祉士会の皆様に日々支えられ活動することが出来ました。心より感謝申し上げます。

報告者:青木美紀さん

 第4陣としてバトンを受け継ぎました、鳥取県支部の青木です。鳥取県では平成28年10月に最大震度6弱の地震を経験しています。被災地域への支援活動を行う中で、能登半島からボランティアセンターへ届けられた布小物が地域住民とのつながりを深めてくれました。こうした経験があり、私は地域住民のみなさんからたくさんの感謝と応援の気持ちをいただいて、珠洲市へ向かいました。

 被災状況を目の当たりにする中で、言葉として表出されることの背景にはたくさんの想いがあることを忘れてはならないと心に刻んだ一週間でした。現地での活動にあたっては、本当に多くの配慮とサポートをいただき、より深く人の繋がりが生み出すあたたかな気持ちを実感しています。そして、鳥取県での実践に戻った時に、再びたくさんの感謝で包んで下さったみなさまのお陰で、私は前を向くことが出来ています。あたたかな気持ちのバトンをつなぎ続けるために、活動支援にかかわって下さる全ての方へこの場をお借りして感謝申し上げます。


活動日 第1週:2024年4月22日(月)〜4月26日(金)
追加活動:4月27日(土)〜28日(日)
担当災害支援員 伊藤亜希子(福島県支部)
加藤瑞枝(神奈川県支部)
期間内支援協働者 石川県精神保健福祉士会 河元氏、岡安氏、奥田氏、堂前氏
石川県相談支援専門員協会 能勢氏、中新地氏
神奈川県保健師チーム様、福井県保健師チーム様
珠洲市ふれあいの里健康増進センター職員様
珠洲市社協・珠洲ささえ愛センター職員様
珠洲市役所福祉課職員様
期間中の活動内容概要 ・仮設住宅訪問同行
・保健師チームのミーティング参加
・仮設団地入居説明会支援
・情報共有会・ケース会議参加
・仮設住宅茶話会参加
・大谷地区のピースボート主催の物資配布イベントのお手伝い
・(追加協力)すずなり(道の駅)のピースボート主催の物資配布イベント来場者のお話を聴くお手伝い

第一次第1週の支援活動報告写真。支援者仮設住宅へ向かう様子。報告者:加藤瑞枝さん

 第一陣であったこともあり、初日は曖昧なイメージのまま仮設住宅へ向かいました。その時の写真です。社協職員、神奈川県の保健師チーム、石川県士会メンバーに同行させていただき、移動中に少しずつ情報を得て、探りながら活動が始まりました。珠洲市には数多くの支援チームが入っているのですが、今後の継続や終結、役割分担などがちょうど転換期を迎えていることもその後に知りました。

 私自身は災害支援員としての経験や知識が乏しく、期間を通して家屋や道路などの被災状況を目の当たりにし、被災された方々のお話を聴かせていただき、僅かながら手続きの手伝いをさせていただくことに精一杯でしたが、第二陣以降への引継ぎや今後の展開を準備する助走期間としての役割を石川県士会の皆さまや伊藤氏が担っておられ、心強く感じておりました。災害支援分野でのこれまでの取組みや個々人の実践の積み重ねが活かされることを願っております。また、今回は偶然にも自身の地元の保健師さん方とご一緒することができ、緊張や疲労を癒やすささやかな雑談には救われました。

 最後に、被災地を離れても我々にできることを考え続け、自ら被災しながら支援者として奮闘されている方々へ想いを寄せ続けていきたいと考えております。 


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