<2024/01/15>
【会長メッセージ】息の長い支援に向けて−第2回対策本部会議報告−
能登半島地震の発生から2週間が経過し、大雪や寒波に見舞われる被災地を思い、心を痛めている方も多いことと思います。地元の構成員等の皆さまが支援に邁進されている様子を伺い、全国の構成員からの応援の気持ちを届けたいと思います。
避難生活が続くなか、人命救助としては災害関連死の発生予防も重大な課題となっています。1月12日には厚生労働省において「令和6年度能登半島地震 福祉関係団体連絡会議」が開催され、被災地の状況や取組に関する報告とともに、職員派遣要請等がありました。
被害の大きい奥能登地域へはアクセスが限られることもあり、現時点で本協会からの現地視察は行っておりませんが、対策本部では第2回対策本部会議において、石川県精神保健福祉士会との連携のもとにルートが確保されしだい赴くことと、ニーズが把握できれば構成員等によるボランティア派遣を行えるよう調整を始めることについて決定しました。
近県の精神保健福祉士会においても災害対策本部が設置され、また、各地からDPATやDWAT等により現地へ行かれる方も増えていくことと思いますので、本協会として収集した情報は適宜構成員の皆さまへお伝えしてまいります。どうぞお心を寄せ続けていただき、可能な方法でのご支援をいただきますようよろしくお願いいたします。
2024年1月15日
公益社団法人日本精神保健福祉士協会
会 長 田 村 綾 子
2024年能登半島地震災害対策本部
第2回対策本部会議報告
[日 時]2024年1月15日(月) 9時30分〜10時30分/Zoom使用
[出席者]田村綾子(会長)、廣江 仁(副会長)、洗 成子(副会長)、尾形多佳士(副会長)、磯ア朱里(災害担当理事)、木太直人(常務理事)、岩尾 貴(理事/石川県)、宮部真弥子(監事/富山県)、坪松真吾(事務局長)、露崎葉子(総務班)
[開催方法]オンライン会議
1.「令和6年能登半島地震 福祉関係団体連絡会議」について
1月12日に厚生労働省において開催された標記連絡会議に田村会長が出席。随行した木太常務理事より当日の報告があった。
- 武見厚労大臣が出席されての会議であった。武見大臣からは福祉的ニーズの高い要介護高齢者や障害者の2次避難が1月11日から始まっていること、被災地の福祉施設等に対する、施設間職員派遣調整やDWATの派遣が始まっていること、現地対策本部に厚生労働省の職員を40人応援派遣していること、今後被災者の心のケアを強化していくこと、災害弱者である高齢者や障害者等に対する支援は福祉関係団体の協力が欠かせないので支援者の派遣等で尽力いただきたいことなどが話された。
- 出席は24団体(オンライン出席を含む)。高齢者福祉関係や障害者福祉関係の事業者団体に加え、福祉専門職団体が出席。各団体から現在の取り組み状況やこれからの取り組み予定について発言がなされた。
- 本協会の活動については、田村会長から現状の取り組みの報告と今後は石川県精神保健福祉士会(石川県士会)と連携して被災者の心のケアに向けて全国のボランティア(構成員)を募集・派遣していく予定であることなどが話された。
2.被災地の現状報告
(1)石川県(岩尾理事より)
- 奥能登の4市町(珠洲市、輪島市、穴水町、能登町)は依然として交通のアクセスが悪く、DPATも現在28チームが活動しているが、4市町すべての拠点つくりまでには至っていない。服薬アドヒアランスのある人は薬がなくなりそうになれば自ら求める行動を取るのでDPATで対応できるが、アドヒアランスの低い人に対する支援が課題となる。
- 被災地からの2次避難として金沢以南の地域で受け入れが始まっており、加賀市では温泉旅館等含めて2千人の受け入れをしていく予定(現在300人)。2次避難者は日常生活が失われた状況で、障害のある人も含まれており、生活状況のアセスメント等が受け入れ側の自治体に委ねられている。
- また、1.5次避難先として金沢のスポーツセンターが確保されているが、次の避難先の調整等が課題となってくる。
- 1月12日に石川県士会としてDPAT現地本部の会議に出席。2次避難者が医療的なフォローを受けられずに2次避難所に来ている。精神科の受診については平時から予約待ちの状況であったところ、日精協や医師会から石川県内の精神科医療機関に協力要請を出してもらうこととなる。
- 奥能登の障害福祉サービス等の利用者の状況が掴めていない。奥能登に入るには通行証が必要であり、現在石川県士会と県の相談支援専門員会が協同して現地に入れるように県庁所管課と調整中。
(2)富山県(宮部監事より)
- 富山県では氷見市と小谷部市の被害が大きかったが、少しずつ復旧してきており、現在の避難者は20数人。氷見市では相談支援事業所において手帳所持障害者の安否確認を完了している。
- 学校に対する支援は臨床心理士会が中心になっているが、富山県精神保健福祉士協会(富山県協会)、富山県社会福祉士会にスクールソーシャルワーカーのバックアップ支援の要請がきている。
- 富山県については現状において県外からの支援が必要とは考えていない。石川県とは隣県でもあり普段からのつながりが強いので富山県協会として石川県士会の支援に入りたいと考えている。
3.決定事項
- 本災害対策本部のメンバーに、災害支援体制整備・復興支援委員会の河合宏委員長が加わることとなった。
- 石川県、富山県以外の被災県の被害状況等は、災害支援体制整備・復興支援委員会を通じて確認することとした。
- 石川県士会として被災地に先遣隊が入り、ルートが確保され次第、本災害対策本部として被災地の視察を行い、現地の支援ニーズを把握できれば構成員等によるボランティア派遣を行えるよう調整を始めることを確認した。
以上
<報道情報>
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