お知らせ

<2013/07/09>

【報告】「権利擁護に関するシンポジウム」を開催しました!

開会挨拶をする柏木会長
(左は金成権利擁護委員長)
講演される北野誠一氏 シンポジウムの様子1
(左から壬生氏、北野氏、菅野氏、西川氏)
シンポジウムの様子2

 7月6日(土)の午後、本協会主催、権利擁護委員会企画運営により、ソーシャルワーカーデー2013のプレ企画として、「権利擁護に関するシンポジウム〜権利擁護とは何か?〜」を開催いたしました。真夏を思わせる暑さとなった当日、照りつける日差しの中をどのくらいの方が参加していただけるかと直前まで心配していましたが、大阪や京都を中心に約50名の方々がお越しくださいました。みなさん額に汗をにじませながら……、というよりも流れる汗を拭いながらご参加いただきました。

 今回のシンポジウムは、「back to the basic」をテーマに、権利擁護とは何かという基本的な課題を整理することを中心に、3名のシンポジストをお招きして権利擁護の実践についてお話しいただきました。

 はじめに、北野誠一氏(特定非営利活動法人おおさか地域生活支援ネットワーク理事長)が「障害者の人権侵害と権利擁護〜虐待防止法と差別解消法の展望〜」の演題でご講演くださいました。権利と権利擁護、エンパワーメントにおける基本の「き」を理論的かつとてもエネルギッシュに解説いただき、私たち精神保健福祉士の存在が本当に当事者の社会参加を促進しているか、権利擁護という用語のイメージばかりが先行してしまい、当事者の参加を阻害していないか、という日々の実践を振り返える問いを投げかけられました。その上で、私たちが担うべきエンパワーリング・アドボカシーに触れ、あらためて地域に暮らすひとを支えるための地道な啓発とシステムづくりの重要性を再確認しました。

 その後のシンポジウムでは、北野氏、西川健一氏(特定非営利活動法人あさがお)、菅野治子氏(社会福祉法人朋志美会しののめハウス)より、「日々どのように権利擁護に関わっているのか」をテーマにお話しいただきました。個別性を重んじることの必要性や、当事者が希望を諦めてしまわないような仕組み作りの大切さ等々、おもしろいエピソードを交えながら本当にたくさんのご発言をいただき、参加された方々も深く頷きながら、時に笑いながら聞き入っていました。

 今回は権利擁護という大きなテーマに比してシンポジウムの時間が短く、もっとじっくりシンポジストの方々のお話を聞きたいと感じられた方が多かったのではないかと思う反面、重く堅苦しいイメージのあるこのテーマについて、コンパクトかつ肩肘張らずに初心に返るきっかけになったのではないかと感じるところです。

 私たち権利擁護委員会もあらためて自分たちの活動を振り返り、委員会の役割を再構築する機会となりました。今後も権利擁護に関する普及・啓発をはじめとしてみなさまの実践に役立つ委員会活動をしてまいりたいと思います。

[報告者]岩崎香織(本協会権利擁護委員/ふくしま心のケアセンター)


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