お知らせ

<2011/02/24>

【ご報告とお願い】東京都会場、権利の実現に向けたバトンを全国に!−権利擁護シンポジウム(東京都会場)−

 去る2月19日(土)、両国にあるKFCホールにて、全国3か所で開催予定の「権利擁護シンポジウム」が東京で幕を開けた。

 最初のシンポジウムでは、まず本協会権利擁護委員の金成透氏が口火を切り、これまでの活動と今後の方向性に関する報告を行った。今回、私たちは「みんなで考える 精神障害と権利」という小冊子を刊行し、来場者に無料で配布している。これもこれまでの活動同様、啓発活動の一環であるが、金成氏の話は、知ってもらい考えてもらい、そして、それだけに留まらず行動しようという呼び掛けであった。

 次に登場したシンポジストは日本社会福祉士会の星野美子氏である。成年後見の問題を切り口に、今ある制度の運用の危うさ、私たち専門職が後見人となって権限をもってしまうことによって起こり得る侵害への危惧を語ってくれた。私たちの立ち位置への新たな気づきを与えてくれる話であった。

 3番目には、全国「精神病」者集団運営委員、障がい者制度改革推進会議構成員でもある関口明彦氏である。氏はこれまでも様々な活動に携わってこられているが、具体的な数字をあげて、医療と地域サービスの格差を指摘し、医学モデルからの脱却の必要性を示してくれた。

 最後に特定非営利活動法人DPI日本会議事務局長、障がい者制度改革推進会議構成員の尾上浩二氏が身体障害者の立場から話してくれた。その話は身体障害者も精神障害者と同じようにサービス提供者に物言えぬが故に権利侵害を受けてきたという自らの語りであり、その後の活動が壮絶な経験に裏打ちされたものであることに感銘を受けた。

 休憩後に行われた堂本暁子氏の講演は、前述したシンポジストの問題提起を吸い上げるような形で、現在進行形の障害者制度改革に対して、「今こそ声をあげるべき」という力強いメッセージを含む内容であった。2月15日の「第12回障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」で公表された厚生労働省のコメントは、堂本氏が座長を務めてこられた医療の合同作業チームの報告に対して「ゼロ回答」。精神科における社会的入院と強制医療、保護者問題、一般医療との格差是正などに対して、具体的な改善に関するコメントがなかったのである。そして迎えた19日、堂本氏がどうして、精神障害に対して興味をもたれたのかから始まって、千葉県の差別禁止条例づくり、そして、障害者制度改革の瀬戸際の状況までを一気に語り、会場は熱気に包まれた。制度政策を変えるための運動はもちろん必要である。しかし、会場内の熱気はそれだけでなく、堂本氏のどんな立場、立ち位置の人であっても、自分にできることが必ずあるという励ましのメッセージに、参加したみんなのこころが熱くなったのではないだろうか。

 今後、札幌へ、福岡へ…東京で共有した思いをつなげていければと思う。                                 

権利擁護委員長 岩崎 香


<本ページをご覧いただきました皆さまへ>

 北海道会場(3月4日(土)開催/札幌コンベンションセンター(北海道札幌市))、福岡県会場(3月19日(土)/クローバープラザ(福岡県春日市) )へのご参加のお申込みをお待ちしています!また、関係される方々へのご案内にもご協力いただければ幸いです。

 詳しくは こちら をご覧ください。


△前のページへもどる