お知らせ

<2007/07/21>

【新潟県中越沖地震】現地情報(第4報)

※新潟県支部の岡部支部長から送信いただいたメール(7月19日、23時35分)を掲載いたします。

[新潟県支部⇒本部事務局]

皆さん今晩は、今日は多少早めに帰ってこれました。夕飯を食べながら報告をします。元来文章がへたくそなのと、疲れが出始めているので読みにくくてすみません。

今日は天気が良かったのですが、気温も上がり避難所では団扇を扇いでいる避難者を多く見かけました。避難所は網戸が無いので蚊にやられる人が多いそうです。この暑さで疲れが増したのではと案じています。ぎりぎりのところで保っているようですが、もう少しで入院が必要と思われる事例もチラホラ出ています。

さて、本日はこころのケアセンター事業と被災障害者相談事業が本格的にスタートしました。スタートと同時に事業のPRをはじめていますので相談はまだ多くありません。本日は13件でした。そのうちケアチームにつないだのが4件でした。ケアチームはその4ケース以外に多くの支援をこなしていました。

昨日、机上で組み立てた支援体制が関係機関の本当に深いご理解で円滑に進んでいることを報告します。支援体制も修正を重ねながら実施しており、体制図も夕方のミーティングでVer1−4になりました。

4日目にしてセンタースタッフと大事にしていることは、「支援の数を報告することも大事だが、もっと大事なのは事例を残すことだ」と確認しあっています。特に困難事例や失敗事例をしっかり残そうと考えています。私も管理的な業務に流されないよう、一日一回は事例にかかわることを忘れないようにしていきたいと思います。最後は事例。これ私たちの鉄則だと思います。

また、これからの展開として必要となるのは水とガスが復旧した後の障害者の生活支援だと思います。水やガスが復旧すると自宅に帰る人が多くなると思いますが、その頃は疲れがピークに達していることと、梅雨明けして暑さも増し、倒れる人が出るのではないかと心配しています。

支援体制を整え、人員も配置してあるといっても数は十分ではないでしょう。実際に片づけを手伝いながら、傾聴したり、吐き出しをしてもらったりしながら支援していけるマンパワーが必要になってくると思います。

それができるのは精神保健福祉士ではないでしょうか。国家資格があればOKと言うことではありません。自宅に帰りはじめる方への支援には、総会時に谷中先生の話にあったように生活モデルを中心とした支援が必要です。その人の生活の建て直しをそばに寄り添い一緒に手伝うというスタンスでなければ、その人にとってはありがた迷惑になる可能性があります。これから避難所から自宅へ帰って行くタイミングで支援に入ろうとした場合、医学モデルでは本人のための支援は上手くいかないと思います。

もうひとつ、精神保健福祉士の必要性の理由として、一般のボランティアと違うのはあるだけの情報を自分の頭の中をフル回転させ、疾病特性も含めて、本人のイメージを作るのが非常に上手いということです。あるだけの情報をもとに本人に接触するのと、まったく情報が無い中で支援を開始するのとでは、疲れがピークに達している本人にとって負担感の違いは歴然でしょう。

疲れがピークに達している時は、ソフトな傾聴がとても大事になってくると思いますしそういったかかわりから吐き出しが行われるのではないでしょうか。本人のペースにあわせゆっくり時間をかけて1人の支援を行うには現在の緊急時の支援体制では追いつきません。専門性を持ったマンパワーの必要性がもうじき出てくると思います。

そのときに対応できるよう、協会内でしておくべきことは、自分たちの売り、そして実働できるマンパワーを明確化して、宣伝と営業活動をしておくことだと思います。現地で必要だと声が上がれば行政が責任をもってその団体を活用してくれるのだと思います(あくまで予感です・・・)。

これは単なる宣伝ではなく、疲れがピークに達している精神障害者にソフトかつ有効な支援が届き、地域生活を維持する権利を保障していくことを目的としているのは言うまでもありません。

(報告者:岡部正文さん/新潟県支部長・新潟県精神保健福祉士協会会長)


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