<2004/11/01>
さる10月31日(日)、全社協・灘尾ホール(東京都千代田区)において、日本障害フォーラム(Japan
Disability Form:JDF)の設立記念セミナー「障害者権利条約と私たちのこれからの活動」が開催されました。
JDFは、昨年10月から障害者団体など11団体が集まり、準備会として活動してきたもので、「「アジア太平洋障害者の十年最終年記念フォーラム」の成果を受け、第二次「アジア太平洋障害者の十年」及びわが国の障害者施策を推進するとともに、障害をもつ人の権利を推進すること」を目的に、正式発足されました。
設立記念のセミナーは、「障害者権利条約に関する国連アドホック委員会」にて協議が進んでいる「障害者権利条約」をテーマに、前半を特別報告として、外務省国際社会協力部参事官の角(すみ)茂樹氏、政府代表顧問・NGO代表の東俊裕氏による「これまでの特別委員会の概括と今後の取り組み」、自由民主党の八代英太衆議院議員をはじめとする各政党担当議員からのスピーチとして「障害者権利条約推進議員連盟に向けた活動」、後半はJDFにおかれた専門委員会担当者によるシンポジウム「障害者権利条約と私たちのこれからの活動」というプログラムでした。
角参事官からは、障害者権利条約制定に向けた経緯、現在の主要論点、今後の見通しなどについて報告がありました。
とくに主要論点の説明の中で、障害の定義について「医学的側面、社会的側面のどちらで捉えるべきか協議中であること」、「例えば就労の場面などで車椅子利用の方がエレベーターなどを設置されれば、障害のない人と同様に働くことができる等の一定の配慮により就労可能になる「合理的配慮」という新しい概念について協議がなされていること」等が述べられました。
また、制定までの見通しとして、「現在、各国は議論を通じて学んでいる時期であり、条約のレベルに各国の制度を引き上げる効果も含め2年くらいの議論を要したほうがよいのでは」という角氏の見解や、具体的スケジュールとして「正式には今秋の国連総会の決定をまつことになるが、2005年1月に第5回アドホック委員会開催の可能性があること」、「少なくとも年2回ペースで委員会を開催していくこと」、さらに「日本をはじめ各国の政府代表団にNGOが、障害のある当事者が参加して協議するという画期的な出来事が実現していること」などが述べられました。
続いての八代議員によるスピーチでは、障害者権利条約の早期制定を推進するために、外務大臣経験者である中山太郎衆議院議員(自由民主党)を会長に、超党派による議員連盟を11月中旬に発足させることが報告されました。
後半のシンポジウムでは、JDF専門委員会による担当者から、それぞれの委員会による取り組み方針や条約制定に向けた思いなどが述べられ、会場からも、国内法の整備もあわせた取り組みを進めるべきとの意見がだされ、ともに協力して推進していくことを確認し閉会となりました。
なお、JDFの構成団体は次のとおりです。 本協会は、加盟しております日本障害者協議会を通じて、JDFへ参画していく形になります。
<構成団体/9団体>
日本身体障害者団体連合会、日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟、日本障害者協議会、DPI日本会議、全日本手をつなぐ育成会、全国精神障害者家族会連合会、全国社会福祉協議会、日本障害者リハビリテーション協会
<オブザーバー団体/2団体>
・全国「精神病」者集団、・全国盲ろう者協会