<2004/07/14>
介護保険制度と障害者支援費制度の統合などを議論していた厚生労働省の社会保障審議会障害者部会は13日、「今後の障害保健福祉施策について」とする中間報告を大筋で了承した。前回部会で提示された京極高宣部会長(日本社会事業大学学長)の私案に、他委員の意見を加えて修正したもの。介護保険との統合については賛否両論あることを明記しながら、「現実的な選択肢の一つとして広く国民の間で議論されるべき」と呼びかけている。
中間報告は委員らの意見を加えて再修正され、16日にある介護保険部会に示される。障害者部会側から統合の是非を問う議論を改めて投げかける形。ただ介護保険部会側では経済団体や市町村長会を中心に反対意見が強く、調整は難航しそうだ。
今回の中間報告は、統合論の背景として、独居高齢者や痴ほう高齢者への地域ケアなど介護保険の目指す姿と障害福祉の流れには一致する部分が多いことを説明。「介護保険の仕組みを活用することは障害保健福祉の安定と発展のためには必然」、「障害福祉は公の責任として、公費で実施すべき」という賛否両論を付記した。「(障害福祉を)支える人・支えられる人は実は一体、という基本を明確にし、国民に自分の問題として認識してもらうことをもっと前面に訴えるべき」(野中博・日本医師会常任理事)などの意見も加えられることになった。(JMA
PRESS NETWORK・07/13)