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<2004/06/07>

障害者福祉が介護保険と統合へ 社保審障害者部会がたたき台示す

 障害者福祉の将来のあり方を検討している厚生労働省の社会保障審議会障害者部会は4日、支援費制度のサービスのうちホームヘルプなど介護保険と重なる部分は、介護保険制度に組み入れていくとする中間まとめのたたき台を了承、審議を始めた。今月末までに統合の是非を決め、介護保険部会に投げかける。ケアマネジメントや権利擁護、本人負担といった統合の前提条件をどう整理するかが焦点になる。

 保険者を現行の40歳以上から20歳以上に拡大するのが前提になる。だれもが交通事故などで障害を負い介護が必要になりうる、との考えに基づいているため。

 2003年にスタートした支援費制度では、これまでの行政措置と異なり、障害者は自分で介護サービスを選択し契約できる。しかし開始1年で利用が予測を大幅に超過。財源が確保できない、三位一体改革で国庫補助負担金が縮減する、精神障害者が対象に入っていない―などの問題があった。

 たたき台は、支援費制度の改革の方向性として、安定的な財源の確保とケアマネジメント制度の導入を考えた場合、「介護のサービスを介護保険制度に組み入れる方向」が問題解決に現実的、と結論。障害者施策を「介護保険による施策」と「保険外の障害者施策」の2本立てにするイメージを示した。保険外の障害者施策では、重度障害者らへの「上乗せサービス」やガイドヘルプなど「介護以外のサービス」を想定している。

 委員からは、「障害者の場合、高齢者のようなケアマネジメントでは足りないがどうするか」(徳川輝尚・全国身体障害者施設協議会会長)、「介護保険に移行した場合のマイナス面もきちんと示すべき。統合に進むべきとは思うが、基本的な譲れない柱を示すべきだ」(福島智・東京大学先端科学技術研究センター助教授)など、具体的につめるべき条件の提案があった。(JMA PRESS NETWORK・06/04)


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