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<2004/05/19>

介護の利用者負担2−3割などを提言 財政審・建議

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は17日、2005年度予算編成についての建議をまとめた。社会保障は給付費の水準について中長期的目標を決めて歳出を抑制。介護保険の利用者負担を2−3割に引き上げることや、一定金額までの医療・介護費を全額自己負担にする「保険免責制度」の導入などを提言した。社会保障における国の財政負担を減らす穴埋めを国民の負担増に求める内容で、日本医師会などの医療関係団体が反発するのは必至だ。

 社会保障は、「明確な目標と時間軸を国民に明らかにして改革に取り組む必要がある」と指摘。年金、医療、介護の社会保障給付費の水準について中長期的目標を立てたうえで、毎年度の歳出を抑制していく方向を打ち出した。

 介護保険は、利用者にコスト意識をもたせるべきだとして、現在は1割の自己負担率を2−3割に引き上げることを求めた。介護度が軽い利用者への給付は、「重症化の予防」を重視した内容に見直すとした。標準的なサービスの給付の量、伸び率を設定して給付費の増加に歯止めをかける、「総額管理方式」や、「伸び率管理方式」の検討も促した。

 医療では、特定療養費(保険診療と保険外診療を例外的に認める仕組み)の対象拡大、市販類似医薬品を保険給付から外すことなどによって、保険の給付範囲を縮小。入院医療で医療機関に支払われる診療報酬を全て定額にするとともに、高齢者の医療費の伸びを抑制する仕組みや、医療費の地域格差を解消する仕組みの導入を求めた。

 そのほか、医療・介護共通の課題として、(1)一定額までの医療・介護費は全額患者(利用者)の自己負担にする「保険免責制度」の導入(2)入院、施設入所の際にかかる食事代、居住費(ホテルコスト)を保険給付から外す−などを提案した。

 建議の内容は、政府の経済財政諮問会議が6月上旬にまとめる「骨太方針2004」に反映される。(JMA PRESS NETWORK・05/17)


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