<2004/04/03>
日本精神保健福祉士協会 会長 高橋 一
精神保健福祉士合格おめでとうございます。今回の試験から現任者への受験資格の特例がなくなり、合格された皆様は大学などでの指定科目履修や養成施設などの課程を修了された方々が中心となりました。
現在の精神保健福祉分野には様々な課題が山積しています。介護保険、健康保険、年金などの社会保障の問題をはじめ、思春期や薬物・アルコールなど依存症の問題、そして高齢者福祉の問題など、諸外国に比べて制度的・予算的に遅れてスタートした各種施策が抜本的に見直されようとしています。
また、わが国の人口が世界の2%であるのに対して精神科病床は世界の13%を占め、平均在院日数も米国の8.5日に対して331日となっています(2000年OECD)。精神障害者の長期在院を解消し、社会参加を促進することが喫緊の課題となり精神保健福祉士の国家資格が出来たわけですが、それから6年、現状は改善されつつも困難を極めています。
本協会では、精神保健福祉の抱える課題を踏まえ、会員への研修制度の確立や情報提供の充実、資格制度の拡充などを図るとともに、国内外の関係機関・団体と連携し、わが国の精神保健福祉施策の充実発展に努めているところです。
今後も、わが国の精神保健福祉分野の発展に向けて、精神保健福祉士の業務に必要となる研修や情報提供などの更なる充実をはじめ、個々の課題に対して時宜を失することなく取り組んでいきますので、皆様のご入会を心よりお待ちしております。