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<2003/11/25>

ハンセン病元患者の宿泊拒否について(声明)

2003年11月21日

社会福祉専門職団体協議会
日本ソーシャルワーカー協会
(社)日本社会福祉士会
(社)日本医療社会事業協会
日本精神保健福祉士協会

 熊本県の実施する「ふるさと訪問事業」としてホテルの宿泊を予約した国立ハンセン病療養所菊池恵楓園に入所するハンセン病元患者18名と付き添い者4名が、「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」(熊本県阿蘇郡南小国町、本社「アイスター」)によって宿泊を拒否されたことが明らかになった。

  社会福祉専門職団体協議会は、長年にわたるハンセン病隔離収容政策の真相究明事業の一環として国が進めているハンセン病元患者の「被害実態調査」に調査員として参加するとともに、ハンセン病元患者の社会復帰に向けた相談活動や地域啓発活動に取り組んでいる。

  われわれは、今回の宿泊拒否は極めて重大な人権侵害であり、ようやく家族との交流に希望を持ち始めたハンセン病元患者及び家族に計り知れない精神的苦痛を与えた問題であると考える。

  われわれは、このような差別・人権無視の暴挙を行った「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」および本社「アイスター」に断固抗議するとともに、国や熊本県におかれては真相の究明と社会的責任を明らかにするため厳正な対処をとられることを要望するものである。

  また、今回の宿泊拒否が社会に今なお根強く残るいわれなき差別と偏見の中で引き起こされたものであることに鑑み、こうした問題が繰り返されることのないように、国をはじめとする関係機関におかれては、ハンセン病と元患者に対する正しい理解を広めるための啓発活動を一層推進することを要望するものである。


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