公益社団法人日本精神保健福祉士協会 メディア連携委員会 企画運営

第2回メディア関係者と精神保健福祉士の学習・意見交換会

開催趣旨

案内チラシ

ダウンロード(PDF/435KB)

 今般、厚生労働省「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」において、医療保護入院のあり方や権利擁護、虐待防止などが検討されました。
 また、国連の障害者権利委員会は、障害者権利条約を批准した日本の取り組みに対する審査を行い、強制入院の廃止を大きな論点として、総括所見(勧告)を出しました。
 今回は、精神科医療の法制度と政策的な課題・論点について、メディア関係者と精神保健福祉士が互いの問題意識を知り、積極的な議論を行う機会にしたいと考えています。

開催日時

2022年11月27日(日) 14:00〜16:30

開催方法

オンライン開催(Zoom)

主催

公益社団法人日本精神保健福祉士協会

参加対象者

本協会構成員(先着60人)

参加費

無料

内容

 【話題提供者】

申込方法

Googleフォームまたは2次元コードよりお申し込みください[11月24日(木)締め切り※延長しました

   URL:https://forms.gle/eGLt3cpNPRrqqL9V7

問い合わせ

公益社団法人日本精神保健福祉士協会 メディア連携委員会 [メールアドレス]media.jamhsw@gmail.com

関連情報

  (※)東京新聞の各記事は記者の了解を得て掲載しています。



第1回メディア関係者と精神保健福祉士の意見交換会 開催レポート
                                          メディア連携委員 城 美早(大阪府支部)
 報道に携わる方々と精神保健福祉士が互いに知り合い、協力できることを考える――。
 メディア関係者との連携を図るため、初めての意見交換会を2022年2月26日午後、オンライン(Zoom)で開催しました。
 協会のメディア連携委員会として最重視していた企画。メディア関係者約30人、協会構成員約30人が参加しました。
 メディア側からは、5人に話題提供していただきました。
 時事通信社の山中貴裕さんは、事件を報道する意味として、再発防止の教訓とすること、被害者の無念を伝える大切さを挙げました。それとともに、精神障害の当事者への取材を通し、人の話をていねいに聴くことの大切さを痛感したと説明。メディアが精神科医療について掘り下げてこなかった責任、偏見解消のためにメディアが果たす責任にも触れました。
 毎日新聞社の磯崎由美さんはかつて、精神障害者の社会復帰施設をめぐる施設コンフリクトを連載記事にしました。反対運動は深刻な人権侵害だったが、その背景を探るうちに「精神障害者は危険だとマスコミが報道しているから」と取材相手から言われ、報道のあり方を反省させられたとのこと。「最近の若手記者は人権意識が高いので、今後も勉強会を開催してほしい」と要望しました。
 共同通信社の市川亨さんは、精神障害や発達障害に関連する数々の重大事件について、インパクトの大きさは否定できないとしたうえで、容疑者が孤立した背景に、社会の偏見や福祉のあり方が関係しているのではないかと指摘。「報道関係者も社会的背景に関心を寄せている」と強調しました。そのうえで、事件の要因を考えるとき、医療のことだけでなく、ソーシャルワークの重要性や専門性をもっと主張してもよいのではないかと提案。当事者と若手記者が交流する機会も作れないか、と語りました。
 NHKの青山浩平さんは、ドキュメンタリー番組を制作するディレクター。2011年の東日本大震災と福島原発事故によって、精神科病院の長期入院患者が退院に至ったケースを取材しました。その病院では入院患者の半数以上が在院30年以上で、多くは退院をあきらめていました。何が長期入院を作り出したかを考えたとき、「当事者以外のみんなが幸せ、というシステムが成り立っていたのでないか」と問いかけました。
 東洋経済新報社の風間直樹さんは、雇用、社会保障、医療などの問題を経済誌に書いてきた記者です。ある女性からの退院を求める手紙をきっかけに「精神医療を問う」と題して、医療保護入院、身体拘束、多剤大量投与などの実例を連載。半世紀前にクローズアップされた精神科医療の課題がいまだに残っている現実を社会に突きつけました。
 ハッとさせられたのは、「地域で生活するよりも入院していたほうが、患者のためになると本気で思っている」医療関係者がかなりいる、という問題提起でした。
 話題提供のテーマが盛りだくさんで、それぞれの持ち時間が短くて申し訳なかったのですが、お話しいただいたメディアの方々は、精神保健福祉士の養成カリキュラムもご存じで、ソーシャルワーカーへの期待も話されたのが印象的でした。

 精神保健福祉士側からは、2020年10月に本協会が公表した「精神障害と事件報道に関するメディアへの提案」を改めて伝えるとともに、メディア連携委員3人が報告しました。
 池沢佳之委員は、勤務先の精神科デイケアの利用者から聴いたリアルな声を届けました。大きな事件が報道されると、「あなたも事件を起こさないか?」と家族からも心配されるなど、身近な人からも理解されていないつらさを訴える声。一方で、デイケアの活動を取材してほしいという前向きの声も出たとのこと。障害と事件報道について話し合ったのは初めてで、「一歩踏み込んだ話ができて、うれしかった」と話す利用者もいたそうです。
 正木英恵委員は、病院勤務。最近、不起訴後の処遇について踏み込んだ記事を目にし、社会に必要なことを掘り出してもらっていると感じたことを伝えました。医療機関では緊急対応に追われて支援が後回しになってしまうジレンマ、精神保健福祉士が強制入院の加害者になる可能性、日々の支援の難しさも打ち明けました。
 上田広大委員は、依存症を主な対象とするクリニックでの経験から、偏見の強さの原因として、ドラマでの描写の影響も否定できないと指摘。有名人が薬物で逮捕された時にテレビの出演者が「意志が弱い」「反省していない」と個人を非難するコメントをすること、違法薬物防止キャンペーンの標語のあり方にも疑問を投げかけました。同時に、メディアの力は大きく、回復モデルを発信すれば、当事者の希望になると強調しました。

 その後、約30分間、小部屋に分かれて意見交換。各グループとも、日ごろ感じていることを伝え、なごやかな雰囲気で話し合いが行われました。一方的に主張するのではなく、双方が歩み寄って力を合わせるために、大きな一歩になったと感じました。
 直接お会いできかったのは残念ですが、全国各地から参加があったことはオンラインのメリットです。参加されたみなさま、ご多忙の中、ありがとうございました。

*開催レポートの掲載が大幅に遅れたのは、委員長の不手際と怠慢によるもので、深くおわびします。第2回の開催予告に合わせて掲載します。(メディア連携委員長 原昌平)

公益社団法人日本精神保健福祉士協会トップページ